新耳袋(しんみみぶくろ)とは?


「新」とつくからには、当然本家『耳袋』なる書物が存在する。それが書かれたのは今からおよそ二百年前、記録者は根岸九郎左衛門鎮衛(1737-1815)といい、現代でいえば都知事、警視総監、裁判長、消防総監をひとりで兼ねる役職"町奉行"を勤めた人物である。
彼は多忙な奉行職の一方で、出会った数多くの人々から聞き集めた怪談、奇談を千話近く収集し、記録に残した。公開の意思はまったくなかったが、たまたま身内に写筆を許したところ、内容の奇抜さゆえに転写につぐ転写が重ねられた。それが『耳袋』なのだ。
さらに、本書は"百物語"という形式を意識した。昔から百物語というタイトルのついた書物は多いが、きっちりと百話収録したものは極めて稀なのである。
そして本書は、古来から言い伝えられた怪異ではなく、20世紀末の現代に起こった百の怪異を伝えるものなのである。


単行本『新耳袋』より


|



「このサイトの楽しみ方」へ

サイトトップへ